vol.11 「未来の先生、どう育てる? 自律型カリキュラムが変える教員養成のカタチ」
・教員養成課程をプロジェクト型にした時、「教員になる人みんなが学ぶべき」とまで言えるもの/言いたいものって何でしょうか?
あなたは「教員養成フラッグシップ大学」の存在をご存知でしょうか?
今日は「教員養成」をテーマに「教育」について考えていきましょう。
「教員養成フラッグシップ大学」とは、教員免許法施行規則に定める一部の科目の代わりに、新たな科目を開設し、免許を取得できる特例措置が適用される大学のことです。新しい教員養成プログラムの研究・開発を行い、その知見を他の教員養成大学に展開することが期待されています。
なお、「教員養成フラッグシップ大学」には現在、東京学芸大学、福井大学、大阪教育大学、兵庫教育大学の4大学が文科省より指定されています。
そんな教員養成の在り方を変革していく役割を担う「教員養成フラッグシップ大学」の取り組み状況を報告するシンポジウム「今後の教員養成の在り方について」(日本教育大学協会主催)が、8月6日にオンラインで開催されました。(以下の記事は、有料記事になっております。)
「自律型カリキュラムデザイン」の教員養成課程
記事内の東京学芸大学の報告で挙げられていたキーワードがとても大切だと感じられるものでしたのでピックアップをしてまとめていきます。
そのキーワードとは、「自律型カリキュラムデザイン」です。
自律型カリキュラムデザインの教員養成課程とは分かりやすく言うと、教員を目指す学生が自らの手で「プロジェクト型」の学びをつくることを土台に敷いた課程のことです。
学生自身が主体的に自身の学びをデザインすることが軸になっており、従来の固定されたカリキュラムとは異なり、学生が自らの関心や目標に基づいて学びの内容や進め方を選び、調整することができるのが特徴です。
なお、より詳細な特徴やプロセスは以下のようにまとめられます。
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自己探求を深める:学生はまず、自分がどのような教師になりたいのか、どのような価値観や目標を持っているのかを探求する。このプロセスでは、自己診断や振り返りを通じて、自分の理想の教師像を明確にする。
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学びの設計:学生は、自分の目指す教師像に合った学びを実現するために、必要な科目や活動を選ぶ。これには、現代の教育ニーズに対応した科目や、教師としての実践力を高めるための実習などが含まれる。
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協働的な学び:学生は、自分だけでなく他の学生や教員と協力しながら学びを進める。異なる視点や意見を取り入れ、自分の考えを深めていくことで、より豊かな学びを経験する。
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柔軟なカリキュラム:学生は学習の進捗に応じてカリキュラムを見直し、必要に応じて変更する。これにより、実際の現場で求められる能力を身につけるために、常に最適な学びが提供される仕組みとなっている。
また「自律型カリキュラムデザイン」には、以下の効果が期待されています。
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主体性と自律性の向上:学生が自分で学びを選び、計画することで、自律的な学習者としての姿勢が育まれる。
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個別最適な学びの実現:個々の学生の興味やニーズに合わせたカリキュラムが可能になるため、無駄なく効率的に学ぶことができる。
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実践力の向上:現場で必要とされるスキルや知識を実践的に学ぶ機会が増え、即戦力となる教員の育成につながる。
公教育などの学校現場では「生徒自身が自らの手で学校をつくっていくこと」が求められています。そうあるならば、教員を目指す学生もまた「自らの手で学びをつくっていくこと」が重要だと言えるでしょう。
「今や未来に求められる先生の在り方」が見直されている今、「教員養成フラッグシップ大学」の取り組みには期待でいっぱいですね!!
ということで本日の問いです
☆本日の問い☆
・これから先生になる人に、どんなことを学んでほしいとあなたは願うでしょうか?
・教員養成課程をプロジェクト型にした時、「教員になる人みんなが学ぶべき」とまで言えるもの/言いたいものって何でしょうか?
...余談でもありまだ正式リリース前なのですが、私たち無花果は来年度よりICHIZIKU UNIVERSITYを立ち上げ、今や未来に求められる教員養成課程を体現していきます。
「教員を目指す学生が何をどのように学ぶ環境を、大学としてつくることができるとよいのだろうか?」
このテーマは私たちの問いのど真ん中でもありますので、よろしければぜひあなたの意見を聴かせてください!
以上が、本日のピックアップテーマでした。
ではまた、お会いしましょう!
まったねーー!!!
〈いつもの注釈 : 当メルマガが大切にしていること〉
“よい教育”について考える時、「問いを立てるという行為」にこそ価値があります。
AIなどの発展により、「問い」があれば「答え」を見つけてくれる存在が私たち人間のすぐそばに現れました。今はまだ「答え」が不正確なこともあるかもしれませんが、この精度はどんどん高まっていくでしょう。そして、近い未来にはまるで「ドラえもん」のように、私たちの欲求を叶えてくれる存在になっていくでしょう。
このような未来を想像する時、人間にとって大切なのは「そもそもの問いを見つけること」だということが分かります。「自身の欲求に向き合い問いを見つけること」こそ人間にできることであり、人間にとって自由に生きる営みの土台となるものです。問いが見つかれば、あとは「ドラえもん」と一緒にその問いと向き合い、つくりたい未来をつくっていくことができます。
のび太のように、「助けてドラえもん!」「〜したいよドラえもん!」と表現できる存在。
そんな存在こそ、きっとこれから求められる人間像です。
これは社会的にという観点でもそうですし、一人ひとりが自由に生きていくためという観点に立っても北極星となる人間像だと思います。
この「求められる人間像」を踏まえ、本メルマガでは「仮の問い」を発信するにとどめています。「仮の問い」から、ぜひ「あなただけの問い」を発展をさせてください。そして「あなたのつくった問い」から、素敵な未来をぜひつくっていってください!そんな風に、当メルマガをつかっていただけますと幸いです。素敵な物語があなたを起点に紡がれていくことを、私自身心から願っています。
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