vol.20 「ありのまま」の罠
こんにちは!
今日は「教育者のとってのありのまま」をテーマに「教育」について考えてみましょう。
「ありのまま」という言葉に、あなたはどんなイメージがありますでしょうか?
先生は、『先生』としてではなく、『1人の人』として生徒と接することが大切だ。
これは、無花果として大切にしている考え方の1つです。
“よい教育”の定義から辿ると、先生自身が「自身の自由」を大事にすることが大切なことは自明です。
だからこそ無花果では『1人の人』として生徒と接するようにしよう!という言葉を先生間での共通言語にしているのですが、この言葉が持つある意味での「危険性」に気がつきましたので、その「危険性」にこのメルマガでは触れていきます。
“ありのまま”で抜け落ちてしまいがちなもの
「しんどいから、生徒の話を今は聞きたくない。」
と
「先生として、生徒にとって“よい存在”で在りたい。」
これらはどちらも、先生の中で確かに生まれ得る想いです。
だけど、1人の人間としてありのままにという話になると、前者だけの気持ちに従うのが大切なのかって考えてしまいがちになる。
これが“ありのまま”という言葉を使うときに抜け落ちてしまいがちなものの結論だと感じています。
例えば、先生として生徒と関わっていると、「自分は先生だから今この子とお話をしているけど、もし先生って立場じゃなかったら、お話を聞きたいと思っていないだろうな…。」などと感じてしまう瞬間は、先生も人間だからこそきっとあるのではないかと思います。
そう感じている時に、頭をよぎる「ありのまま」という言葉。
「ありのままに子どもと接するなら、自分は生徒の話を聞きたくないって伝えるのではないか、それがいいのかな…。」
このように感じてしまう瞬間を、想像できる方も多いのではないでしょうか?
結論で述べた通り、ここで抜け落ちてしまいがちなのが「先生として、生徒にとって“よい存在”で在りたい。」などという想いです。
「自分は先生だから今この子とお話をしているけど、もし先生って立場じゃなかったら、お話を聞きたいと思っていないだろうな…。」
こう感じてるのも自分だし、
「先生として、生徒にとって“よい存在”で在りたい。」
と感じているのも自分。
どちらも確かに自分が感じていること。
このどちらの想いをも大切にして生徒と接することこそ、無花果で大切にしている『1人の人』として生徒と接するということです。
「ありのまま」という言葉は、「ある自身の感じていること」を見つけやすくする反面、「また別の、ある自身の感じていること」を見にくくし得る。
この“ありのまま”の罠に自覚的であるからこそ、実践していける“よい教育”があると感じましたので、今日はその罠についてまとめてみました。
あなたにとっての何かの発見になっていましたら幸いです!
ということで、本日の問いです。
***
☆本日の問い☆
・「ありのまま」の罠に陥ってしまっていたな...と思い出せる瞬間はありますか?ぜひ思い返してみてください!
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以上が、本日のピックアップテーマでした。ではまた、お会いしましょう!
ありのままって、本質的にはエポケーするものだよね!
〈いつもの注釈 : 当メルマガが大切にしていること〉
“よい教育”について考える時、「問いを立てるという行為」にこそ価値があります。
AIなどの発展により、「問い」があれば「答え」を見つけてくれる存在が私たち人間のすぐそばに現れました。今はまだ「答え」が不正確なこともあるかもしれませんが、この精度はどんどん高まっていくでしょう。そして、近い未来にはまるで「ドラえもん」のように、私たちの欲求を叶えてくれる存在になっていくでしょう。
このような未来を想像する時、人間にとって大切なのは「そもそもの問いを見つけること」だということが分かります。「自身の欲求に向き合い問いを見つけること」こそ人間にできることであり、人間にとって自由に生きる営みの土台となるものです。問いが見つかれば、あとは「ドラえもん」と一緒にその問いと向き合い、つくりたい未来をつくっていくことができます。
のび太のように、「助けてドラえもん!」「〜したいよドラえもん!」と表現できる存在。
そんな存在こそ、きっとこれから求められる人間像です。
これは社会的にという観点でもそうですし、一人ひとりが自由に生きていくためという観点に立っても北極星となる人間像だと思います。
この「求められる人間像」を踏まえ、本メルマガでは「仮の問い」を発信するにとどめています。「仮の問い」から、ぜひ「あなただけの問い」を発展をさせてください。そして「あなたのつくった問い」から、素敵な未来をぜひつくっていってください!そんな風に、当メルマガをつかっていただけますと幸いです。素敵な物語があなたを起点に紡がれていくことを、私自身心から願っています。
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