vol.1 学校欠席中の学習が、適切に成績反映される未来へ
そちらの中でテーマに上がっていたのが「不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果の成績評価に係る法令改正について」です。
資料を見ると、学校教育法施行規則の一部改正として、「義務教育段階の不登校児童生徒について成績評価を行うにあたっては、文部科学大臣が定める要件の下で、不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果を考慮することができることを法令上に規定」していくとの記載があります。
そして、文部科学大臣が定める要件としては以下の3つが挙げられています。
①学習の計画・内容が、不登校児童生徒の在学する学校の教育課程に照らし適切と認められること。
②学校と不登校児童生徒の保護者、教育支援センター、民間団体等との間に十分な連携協力関係が保たれるとともに、学校において、学習活動の状況等の当該不登校児童生徒の状況を保護者等を通じて定期的かつ継続的に把握していること。
③学校が、訪問による対面指導等により、学習活動の状況等の不登校児童生徒の状況を定期的かつ継続的に把握するとともに、不登校児童生徒と学校との適切な関わりを維持するよう留意していること。
一般福祉の観点に立った時、教育における「入口の平等」と「出口の対等」をすベての子どもたちに対して実質化することこそ、公教育の果たすべき役割です。
しかし約30万人不登校児童生徒がいることからもわかるように、現行の公教育システムだけではこれらの平等・対等を叶えることが難しい現状があります。だからこそ教育行政には今、「地域の教育資源の再ネットワーク化を通じ、一般福祉の実質化を目指す」という役割が求められます。
その点から考えると、「不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果」がより成績に反映をされる未来はとてもよい未来だと言えます。
例えば、フリースクールで学んだことがより具体的に成績に反映をされていくという未来は、その子にとっての学びを、学校-フリースクール間でより共有をしながらサポートしていけるという観点から、望ましい未来です。
ただ、やはり気をつけなくてはいけないのは「成績反映が最上位目標ではない」ということです。
学校欠席時の生徒の学びを「成績反映」に結びつけたいとの想いは、教育関係者誰しもが感じることだと思いますが、その実現が目の前の子にとってのよい関わりになるかはまた別問題ですよね。
「各生徒にとってのよい学びをつくる」ことを軸に据えた上での、各生徒の学習過程の「適切な成績反映」
科目学習に縛られない成績評価など、そもそもよい成績評価とは何か?という議論ももちろんありますが、まずは各学校におけるよい成績反映のケースが増えていきますと、私自身嬉しく感じています。
以上が、本日のピックアップテーマでした!
これからも「教育哲学」を軸に据えて、最新の教育について情報を発信してまいります!
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